第5章:業務システム連携
Claude Desktop AppのConnectors機能で、Gmail、Drive、Slack、Notionなどとボタン1つで接続。
5-1. Connectors(コネクタ)とは
従来、AIに外部システムを操作させるには「APIキーの取得」「コマンド設定」「JSONファイルの編集」など、専門知識が必要でした。
Claude Desktop AppのConnectors機能は、これらをすべてボタン1つで接続できる仕組みです。
Connectorsで何が変わったか
| 項目 | 従来(ターミナル) | Connectors(Desktop App) |
|---|---|---|
| セットアップ時間 | 30分〜1時間 | 30秒 |
| 必要な知識 | API、JSON、認証フロー | クリックだけ |
| 失敗リスク | 高(手動設定ミス) | 低(自動化) |
| 権限管理 | 手動 | UI上で確認・解除 |
5-2. Connectorsの開き方・接続手順
Connectorsを開く
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設定画面を開く
画面右上のアカウントアイコン → 「Settings(設定)」
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「Connectors(コネクタ)」タブを選択
左メニューから「Connectors」をクリック
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利用可能なConnectorsが表示される
Google、Slack、Notion、Linear など、提携済みサービスが一覧で並んでいます。
接続の基本フロー(30秒)
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使いたいサービスの「Connect」をクリック
例:Google Driveの「Connect」をクリック
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ブラウザが開いて認証
業務で使うアカウントでログイン → 必要な権限を確認 → 「許可」
-
Desktop Appに戻る
「Connected ✓」と表示されたら接続完了
接続後にできるようになること
Chat / Work どちらのモードでも、以下のように指示できます:
Google Driveの「営業」フォルダから、
今月作成された見積書PDFを全部取得して、
合計金額を集計してください
Claudeが自動でDriveにアクセス → ファイル取得 → 集計までやってくれます。
5-3. Google Workspace連携(最重要)
業務で最も需要が高いのが、Google Workspaceとの連携。Connectorsならボタン1つで全部つながります。
連携できるGoogleサービス
| サービス | できること | Connector名 |
|---|---|---|
| Gmail | メール検索・分析・下書き作成 | Google Mail |
| Googleドライブ | ファイル検索・取得・整理 | Google Drive |
| Googleカレンダー | 予定取得・新規作成・空き時間検索 | Google Calendar |
| Googleスプレッドシート | データ取得・分析・更新 | Google Sheets |
| Googleドキュメント | 文書取得・要約・編集 | Google Docs |
接続手順(Google Drive例)
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Settings → Connectors → Google Drive の「Connect」
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業務用Googleアカウントでログイン
重要:個人Gmail(@gmail.com)ではなく、会社のWorkspaceアカウントを使ってください。社内データへのアクセスにはWorkspaceアカウントが必要です。
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権限を確認 → 「許可」
Claudeが要求する権限(ファイル読み取り等)を確認して承認
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完了
「Connected ✓」が表示されたら、すぐ使えます。
使い方の例
Gmailの実例
過去1週間のメールから、以下を抽出してExcelにまとめて:
- 重要度(A/B/C)
- 返信が必要なもの
- 返信期限
- 関連する案件名
Driveの実例
共有ドライブの「営業」フォルダにある全ファイルをスキャンして、
6ヶ月以上アクセスのないファイルをリストアップ。
削除候補としてレポートを作成。
カレンダーの実例
来週の予定をカレンダーから取得して、
- 重複する予定
- 移動時間が確保できない予定
- 5人以上のMTG(事前準備が必要なもの)
を教えてください
スプレッドシートの実例
「2026年売上管理」スプレッドシートを開いて、
今月の売上TOP10顧客と前月比をまとめてください
5-4. チャットツール連携
| ツール | Connector状況 | 備考 |
|---|---|---|
| Slack | ✅ 公式Connector | ボタン1つで接続 |
| Microsoft Teams | ✅ 公式Connector | Microsoft 365アカウント必須 |
| Discord | △ カスタムMCPで対応 | Bot設定必要 |
| チャットワーク | △ カスタムMCPで対応 | APIトークン必要 |
| LINE WORKS | △ カスタムMCPで対応 | 管理者権限必須 |
| LINE公式アカウント | △ カスタムMCPで対応 | 導入後分のみ |
Slack連携の手順
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Settings → Connectors → Slack の「Connect」
-
Slackワークスペースを選択
複数のワークスペースに参加していれば、選択画面が表示される
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権限を承認
「Allow」をクリック
-
使い方
#general チャンネルの過去1週間のメッセージから、 重要な決定事項とToDoを抽出してください
5-5. Notion / Linear / Asana連携
プロジェクト管理・ドキュメント管理ツールとも連携できます。
| ツール | 用途 | Connector |
|---|---|---|
| Notion | 社内ドキュメント・Wiki | ✅ 公式 |
| Linear | タスク・課題管理 | ✅ 公式 |
| Asana | プロジェクト管理 | ✅ 公式 |
| Atlassian (Jira/Confluence) | 開発・ドキュメント | ✅ 公式 |
| GitHub | コード管理 | ✅ 公式 |
| Figma | デザインファイル | ✅ 公式 |
Notion連携の活用例
Notionの「議事録」データベースから、
過去30日のMTG議事録を全部読んで、
よく出てくるテーマTOP5と未対応のToDoを抽出してください
Linear連携の活用例
Linearの「営業改善」プロジェクトの未完了タスクを取得して、
優先度別に並べた進捗レポートを作成してください
5-6. カスタムMCP(高度な連携)
公式Connectorに無いツール(Chatwork、LINE WORKS、自社システムなど)と連携したい場合、カスタムMCPを追加できます。
カスタムMCP追加の流れ
-
対象サービスのMCPサーバーを探す
GitHub等で「[サービス名] MCP server」と検索。多くの場合、コミュニティ製のMCPがあります。
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Settings → Connectors → 「Add custom connector」
-
MCPサーバー情報を入力
- サーバー名
- URL または コマンド
- 認証情報(APIキー等)
-
「Add」→ テスト実行
正常に接続されれば、Connectors一覧に追加される
カスタムMCPの設定は、Claude自身に「Chatwork のMCP接続を設定してください」と頼めば、必要な手順を案内してくれます。
Chatwork連携の例(カスタムMCP)
-
ChatworkでAPIトークン発行
Chatworkにログイン → 右上アカウント名 → 「サービス連携」→ 「API Token」発行
-
Claudeに依頼
ChatworkのAPI連携をカスタムMCPとしてセットアップしてください。 APIトークン:[ここに貼る] やりたいこと:自分が参加している全ルームのメッセージを取得して、案件管理に使えるようにする。 -
Claudeが手順を案内
必要なMCPサーバーの導入から、Settings → Connectors への登録まで、Claude自身が指示してくれます。
5-7. Projectsと連携を組み合わせる
Connectorsを使った業務をProjectsに登録すれば、究極の自動化が完成します。
例:「朝の準備」Project
-
Projects → 新規作成
名前:「朝の準備(毎朝9時)」
-
指示を設定
このプロジェクトは毎朝の業務スタート前に実行されます。 1. Gmailの過去24時間の未読メールから、緊急案件を抽出 2. Slackの#generalチャンネルから、夜中の議論を要約 3. Googleカレンダーから本日の予定を取得 4. Notionの「ToDo」データベースから、今日期限のタスクを取得 5. これらを統合して、本日のブリーフィング資料を作成 出力:briefing_YYYY-MM-DD.md として保存 3分以内に完了させてください -
毎朝の使い方
本日のブリーフィングお願い30秒で本日のやることが整理された資料が完成。
5-8. セキュリティ・プライバシー
Connectors使用時の安全性
| 項目 | 安全性 |
|---|---|
| 認証情報の保存 | OAuthトークンを暗号化して保存 |
| 権限スコープ | 必要最小限の権限のみ要求 |
| データ学習 | Pro/Maxはデフォルトで非学習 |
| 接続解除 | UI上でいつでもDisconnect可能 |
絶対にやってはいけないこと
- パスワードをチャットに直接書く
- APIキーをスクショで他人に共有
- 個人情報・マイナンバー・クレカ番号を渡す
- 共有されたチャット履歴に機密情報を残す
- 該当サービスでパスワード変更 / APIキー再発行
- Settings → Connectors で該当Connectorを「Disconnect」
- 必要に応じて、サービス提供元にも報告
法人向けの安全対策
| 対策 | 内容 |
|---|---|
| Claude Team / Enterprise契約 | データが学習に使われない契約 |
| SSO(シングルサインオン) | 社内アカウントでの統合管理 |
| 監査ログ | 誰が何をしたか追跡可能 |
| 権限管理 | 部署・役職別のアクセス制限 |
5-9. この章のまとめ
- Connectorsの仕組みを理解した(ボタン1つで連携)
- Google Workspaceとの連携手順を把握した
- Slack / Teams / Notion等のConnectorを使えるようになった
- カスタムMCPで公式以外のツールも追加可能と知った
- Projects + Connectorsで業務を完全自動化できる
- セキュリティ上の注意点を理解した