第5章:業務システム連携

Claude Desktop AppのConnectors機能で、Gmail、Drive、Slack、Notionなどとボタン1つで接続。

📖 読了:約35分
🎯 難易度:中級
🔌 連携可能:10+ツール

5-1. Connectors(コネクタ)とは

従来、AIに外部システムを操作させるには「APIキーの取得」「コマンド設定」「JSONファイルの編集」など、専門知識が必要でした。

Claude Desktop AppのConnectors機能は、これらをすべてボタン1つで接続できる仕組みです。

Connectorsで何が変わったか

項目 従来(ターミナル) Connectors(Desktop App)
セットアップ時間 30分〜1時間 30秒
必要な知識 API、JSON、認証フロー クリックだけ
失敗リスク 高(手動設定ミス) 低(自動化)
権限管理 手動 UI上で確認・解除

5-2. Connectorsの開き方・接続手順

Connectorsを開く

  1. 設定画面を開く

    画面右上のアカウントアイコン → 「Settings(設定)」

  2. 「Connectors(コネクタ)」タブを選択

    左メニューから「Connectors」をクリック

  3. 利用可能なConnectorsが表示される

    Google、Slack、Notion、Linear など、提携済みサービスが一覧で並んでいます。

接続の基本フロー(30秒)

  1. 使いたいサービスの「Connect」をクリック

    例:Google Driveの「Connect」をクリック

  2. ブラウザが開いて認証

    業務で使うアカウントでログイン → 必要な権限を確認 → 「許可」

  3. Desktop Appに戻る

    「Connected ✓」と表示されたら接続完了

接続後にできるようになること

Chat / Work どちらのモードでも、以下のように指示できます:

Google Driveの「営業」フォルダから、
今月作成された見積書PDFを全部取得して、
合計金額を集計してください

Claudeが自動でDriveにアクセス → ファイル取得 → 集計までやってくれます。

5-3. Google Workspace連携(最重要)

業務で最も需要が高いのが、Google Workspaceとの連携。Connectorsならボタン1つで全部つながります。

連携できるGoogleサービス

サービス できること Connector名
Gmail メール検索・分析・下書き作成 Google Mail
Googleドライブ ファイル検索・取得・整理 Google Drive
Googleカレンダー 予定取得・新規作成・空き時間検索 Google Calendar
Googleスプレッドシート データ取得・分析・更新 Google Sheets
Googleドキュメント 文書取得・要約・編集 Google Docs

接続手順(Google Drive例)

  1. Settings → Connectors → Google Drive の「Connect」
  2. 業務用Googleアカウントでログイン

    重要:個人Gmail(@gmail.com)ではなく、会社のWorkspaceアカウントを使ってください。社内データへのアクセスにはWorkspaceアカウントが必要です。

  3. 権限を確認 → 「許可」

    Claudeが要求する権限(ファイル読み取り等)を確認して承認

  4. 完了

    「Connected ✓」が表示されたら、すぐ使えます。

使い方の例

Gmailの実例
過去1週間のメールから、以下を抽出してExcelにまとめて:
- 重要度(A/B/C)
- 返信が必要なもの
- 返信期限
- 関連する案件名
Driveの実例
共有ドライブの「営業」フォルダにある全ファイルをスキャンして、
6ヶ月以上アクセスのないファイルをリストアップ。
削除候補としてレポートを作成。
カレンダーの実例
来週の予定をカレンダーから取得して、
- 重複する予定
- 移動時間が確保できない予定
- 5人以上のMTG(事前準備が必要なもの)
を教えてください
スプレッドシートの実例
「2026年売上管理」スプレッドシートを開いて、
今月の売上TOP10顧客と前月比をまとめてください

5-4. チャットツール連携

ツール Connector状況 備考
Slack ✅ 公式Connector ボタン1つで接続
Microsoft Teams ✅ 公式Connector Microsoft 365アカウント必須
Discord △ カスタムMCPで対応 Bot設定必要
チャットワーク △ カスタムMCPで対応 APIトークン必要
LINE WORKS △ カスタムMCPで対応 管理者権限必須
LINE公式アカウント △ カスタムMCPで対応 導入後分のみ

Slack連携の手順

  1. Settings → Connectors → Slack の「Connect」
  2. Slackワークスペースを選択

    複数のワークスペースに参加していれば、選択画面が表示される

  3. 権限を承認

    「Allow」をクリック

  4. 使い方
    #general チャンネルの過去1週間のメッセージから、
    重要な決定事項とToDoを抽出してください

5-5. Notion / Linear / Asana連携

プロジェクト管理・ドキュメント管理ツールとも連携できます。

ツール 用途 Connector
Notion 社内ドキュメント・Wiki ✅ 公式
Linear タスク・課題管理 ✅ 公式
Asana プロジェクト管理 ✅ 公式
Atlassian (Jira/Confluence) 開発・ドキュメント ✅ 公式
GitHub コード管理 ✅ 公式
Figma デザインファイル ✅ 公式

Notion連携の活用例

Notionの「議事録」データベースから、
過去30日のMTG議事録を全部読んで、
よく出てくるテーマTOP5と未対応のToDoを抽出してください

Linear連携の活用例

Linearの「営業改善」プロジェクトの未完了タスクを取得して、
優先度別に並べた進捗レポートを作成してください

5-6. カスタムMCP(高度な連携)

公式Connectorに無いツール(Chatwork、LINE WORKS、自社システムなど)と連携したい場合、カスタムMCPを追加できます。

カスタムMCP追加の流れ

  1. 対象サービスのMCPサーバーを探す

    GitHub等で「[サービス名] MCP server」と検索。多くの場合、コミュニティ製のMCPがあります。

  2. Settings → Connectors → 「Add custom connector」
  3. MCPサーバー情報を入力
    • サーバー名
    • URL または コマンド
    • 認証情報(APIキー等)
  4. 「Add」→ テスト実行

    正常に接続されれば、Connectors一覧に追加される

💡 設定が分からなければClaudeに聞く

カスタムMCPの設定は、Claude自身に「Chatwork のMCP接続を設定してください」と頼めば、必要な手順を案内してくれます。

Chatwork連携の例(カスタムMCP)

  1. ChatworkでAPIトークン発行

    Chatworkにログイン → 右上アカウント名 → 「サービス連携」→ 「API Token」発行

  2. Claudeに依頼
    ChatworkのAPI連携をカスタムMCPとしてセットアップしてください。
    
    APIトークン:[ここに貼る]
    やりたいこと:自分が参加している全ルームのメッセージを取得して、案件管理に使えるようにする。
  3. Claudeが手順を案内

    必要なMCPサーバーの導入から、Settings → Connectors への登録まで、Claude自身が指示してくれます。

5-7. Projectsと連携を組み合わせる

Connectorsを使った業務をProjectsに登録すれば、究極の自動化が完成します。

例:「朝の準備」Project

  1. Projects → 新規作成

    名前:「朝の準備(毎朝9時)」

  2. 指示を設定
    このプロジェクトは毎朝の業務スタート前に実行されます。
    
    1. Gmailの過去24時間の未読メールから、緊急案件を抽出
    2. Slackの#generalチャンネルから、夜中の議論を要約
    3. Googleカレンダーから本日の予定を取得
    4. Notionの「ToDo」データベースから、今日期限のタスクを取得
    5. これらを統合して、本日のブリーフィング資料を作成
    
    出力:briefing_YYYY-MM-DD.md として保存
    3分以内に完了させてください
  3. 毎朝の使い方
    本日のブリーフィングお願い

    30秒で本日のやることが整理された資料が完成。

5-8. セキュリティ・プライバシー

Connectors使用時の安全性

項目 安全性
認証情報の保存 OAuthトークンを暗号化して保存
権限スコープ 必要最小限の権限のみ要求
データ学習 Pro/Maxはデフォルトで非学習
接続解除 UI上でいつでもDisconnect可能

絶対にやってはいけないこと

🚨 万一漏洩したら
  • 該当サービスでパスワード変更 / APIキー再発行
  • Settings → Connectors で該当Connectorを「Disconnect」
  • 必要に応じて、サービス提供元にも報告

法人向けの安全対策

対策 内容
Claude Team / Enterprise契約 データが学習に使われない契約
SSO(シングルサインオン) 社内アカウントでの統合管理
監査ログ 誰が何をしたか追跡可能
権限管理 部署・役職別のアクセス制限

5-9. この章のまとめ